まじめっ娘とイケメンくんの恋



警察官の父親を持つあたしは
あり得ないほどの厳しい家庭で育った。


門限が夏季は7時半冬季は6時半とか・・・
学校へ行って部活終えると
速攻着替えて電車の乗り2駅先で降りてすぐ帰宅 
週に2度塾があるが
この日だけは門限がない
でも親の迎えがある。
だから全くと言っていいほど
遊んでいない。


「高校生の分際でおしゃれとか
必要ない!」といつも地味な格好。


「学生の恋愛なんて ろくなことない
事件の素だ」と なので彼氏とか
出来るわけでもなく
欲しいとは思わなかった。


親によるマインドコントロール
されていたのだ。


だからそれが普通だと思っていた。


だけど推薦で大学が決まったのち
クラスメイトから誘われ
1度だけ親の許可をもらい
遊びに出た。


友人たちは化粧をして
おしゃれな服に身を纏い制服とは全く
違って大人に見えた。


あたしは?


ただある服を着ただけに
髪はブラッシングしただけ。


「もう少し着るものを
考えてくればいいのに!
工業高校の男子との遊ぶのよ」
それが他校の男子との合コンだったのは
その時に知らされた。


要はあたし人数合わせと
引き立て役に誘われだけ。


思えば親友である小塚みどりとか
橋本七瀬には声が掛かってなかった。


ただ いつも声をかけられないあたしが
普通に誘われて
少し舞い上がってたのかもしれない。



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