まじめっ娘とイケメンくんの恋
「どうだった?先輩のライブ」
待ち構えてたように彩子さんから聞かれた。
「うん!カッコよかったですよ
先輩はドラムしてて
友達からでもいいから付き合ってって
言われました」
「やったじゃん!!!
返事したの?」
「友達としてなら・・・って」
「おめでとー!ハツカレ!!!」
「いや・・・まだ彼とは決まってないので」
「もう彼氏よ彼氏!
考えられないね
数ヵ月前まで髪を1つに纏めただけで
ノーメイクのやる気のない服装に
『彼氏なんて要りません!』
なんて言ってた綾子がねぇ」
「すべて彩子さんのお陰です
それに彩子さんは・・・」
まだ話してるのに
「あっ!それ以上言わないで
師匠とか言うでしょ」
と 止められてしまった。
「アハハ」
するとあたしの携帯が鳴り始めた。
「あ・・・」
「うん?彼?彼なの?」
「そうみたいです」
「何よぉ~
乙女みたいな目をしちゃってさ」
「エヘヘ」
あたしは部屋に移動して
貴生さんからの電話をとった。
「もしもしもう家に着いた?」
「はい ちょうど帰ったところです」
「オレもね 自分ちに着いたところ」
貴生さんも一人暮らしをしているという。