まじめっ娘とイケメンくんの恋


「ねぇねぇ綾子
ドラマーと二人で会ったりしてる?」


彩子さん?
それ先日もあたしに聞きましたけど?
そしてあたしは『うん』と答えたけど?
忘れたの?あっ!あたしの言うことなんて
本気で聞いてないのか?


「うん 会ったよ
ご飯の予定が楽器屋さんに行っただけだけどね」


「それで?」


「それでってそれだけ」


「怪しい雰囲気になんないの?」


「怪しいとは?」


「もー!!!あれよあれ」


パシッパシッとあたしを叩きながら言った。


「まだ2回しか会ってないし
別に・・・」


「2回しかって早い人は
1回でもやるときはやるのよ」


そうなんだ・・・。


「けんちゃん急がなきゃ」


彩子さんのいきなりの言葉に
庖丁で手を切りそうになった。


ううん切りそうじゃなく
切ってる・・・。


「イタッ」


「お前大丈夫か?
それぐらいのことで動揺すんなよっ」


「それだけウブなのよ
可愛いじゃん」


幸いそんなに深く切った訳じゃなく
擦った程度。


「後はこのまま煮込めばいいんで
あたし部屋へ帰りますね」


「え~最後までやろうよぉ~」


「課題があるので本当に
勘弁してください」


彩子さんに流させることなく
ここはちゃんと部屋へと帰ったのだった。





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