叶わない恋だと解っていても
一章

One summer of LOVE

『何で…いきなりそんな…』

何が何だかわからない。でも私は焦っている。

『待って、行かないで!』

向こうを向いた私の大好きな人を止めようと手を伸ばした途端、その手は振り払われた。

そして私の感情が『また』壊された。


『大嫌いだよ』



「…っ?」

時刻は午前5時30分。私は目を覚ました。

「…あ。また出てる」

薄い光が射す部屋で、私は目から溢れた液体を、パジャマの袖で拭った。
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