シアワセのカケラ


「あーあ、めいちゃん。ガバガバだね。ガバガバだと王子様と踊れないよ。由香の靴、落とさないでよね」


そう言うと由香は持ってきたガラスの靴に足を入れた。

サイズはぴったりだった。




「ほらー、やっぱり由香が一番ぴったり。一番似合う」



それは、由香が買ってもらったんだから、由香のサイズに合った靴だから、当たり前じゃん、



今同じ場面に遭遇するなら私は迷わずそう言うだろう。


でも、そのときは靴が入ったと得意顔する由香の前で私たちは何も言い返さなかった気がする。

いくら幼稚園児といえど、由香の靴が私たちと同じサイズなわけがないと言うことはわかっていた。
ただ、由香は昔からどこか自分への反対意見は受け入れない迫力というか、まっすぐな意思を持った女の子だった。


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