【SS】天才少女の復讐法。
「この花は……雫に」
そう呟いて、カーネーションの隣に
スターチスという花をお供えした。
あいつの好みは分からないから
俺が勝手に選んだお花だ。
「……つーか、男が花屋なんて
けっこー恥ずかしいんだからな」
そんなことを言ったら
雫はなんて答えるのか……想像してみた。
『…そうなんだ』って
初めて会ったあの日みたいに、冷たく言う?
……それとも、『ありがとう』って
最期に話したあの日のように
優しい声で言ってくれる…?
「どっちも悪くないな…」
どちらの答えも、雫らしくて
なんか笑えた。