龍瞳ーその瞳に映るもの
「ナノハは俺の側におく」

その意味をわからない野暮な奴はいないけれど
そんな言葉をアズが口にするなんて
思っていた奴もいない。

唯一、その意味をわかっていないのは
アズにそう言わせた張本人だけで
顔色一つ変えずゆっくりと瞬きをした。

「て事はそういう事だよ、な?」

トシがアズに確認する。

「そういう事だ」

文句があるなら言えとばかりに
トシを睨んだ。

次に声をあげたのは昌枝さんで
女の手を取りにっこり微笑んだ。

「おめでとう」

そう言われて女は怪訝そうに眉をひそめた。
< 116 / 306 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop