龍瞳ーその瞳に映るもの
生まれた時の事を覚えているのは
お母さんが生きていた頃、教えてくれた事。

私が生まれ日は大雨が降っていた。
病院に駆けつけたお父さんがびしょ濡れでくしゃみをしながら私を抱いたこと。

つわりも出産も軽くて生まれる前から
親孝行だったと頭を撫でてくれたこと。

いまは手元にないけれど
写真に残るお母さんはとても綺麗で
私を愛してくれているのがわかる。
だけど、お父さんの写真は一枚もなくて
お母さんの口からお父さんの話は
ほとんどされなかった。

お父さんは強い人、それ以外口にしなかった。
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