龍瞳ーその瞳に映るもの
だんだんと明るくなってく空を
2人でじっと見つめていた。

凛とした雨上がりの空気に触発されたように
雲が晴れていく。

「太陽だ」

もちろん、陽の上がる瞬間なんて
このビルからは見えない。

それでもいい。
キラリと雨露が光る街路樹を照らす
今年初めて見るアズとの朝。

「俺の世界は狭い」

ふと後ろに立ったアズは
背中越しに私のお腹に手を回した。

「いらないものを排除していく世界だ」

人の闇を生業にしている以上、
生き抜く為の手段だと言った。

「人並の幸せや生活もさせてやれない。わかってながら俺はお前を側においた」

「人並みの生活とか幸せとかさ、
そんなの初めっから私にはないよ」
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