龍瞳ーその瞳に映るもの
side ナノハ

私が美緒ちゃんちに帰ってすぐ
アズもこっちに来た。
正確に言えばサクヤさんと2人で来た。

「バイトって事で出れるよね」

サクヤさんが用意したバイト求人のチラシ。

「清掃の仕事ですか?」

「アズビルの清掃ですよ」

「アズビルですか」

アズとサクヤさんの仮住まいは
三階建のツンと鼻をつくカビ臭いビル。

「こんなビル、掃除する必要ありますか?」

「一応ね、他にも企業入ってんの」

手紙が入っているポストが何個かあった。

「ここの清掃バイトって事でよろしく」

それは本当に掃除をするのではなく
アズが作ってくれた時間だった。

「ありがとう」

美緒ちゃんのあからさまな態度に
正直しんどい時もある。
だからこうやってアズに会えるのは嬉しい。
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