龍瞳ーその瞳に映るもの
入れと言われた部屋は生活感の全くない
居住スペースで、部屋の真ん中に真っ黒の
皮のソファーがドンッと置いてある。
対であるテーブルは見当たらず
年代物のテレビがポツンとあるだけ。

事務所なのか神の家なのかわからない。

後から入ってきた神は私を追い抜き
その皮のソファーに腰掛けた。

お客さんではないのはわかってるけれど
突っ立っているのは居心地悪くて
何もない部屋をグルリと見渡した。

「いくつか質問する。簡潔に答えろ」

「あ、はい」

私の返事なんか多分、聞いてない。
簡潔に答えろと言ったあとすぐに
その質問は始まった。

「お前は誰だ」

「小川南乃花」

「どっから来た」

「宇島から」

「どうやって」

「…車で」

そこまで答えた私を値踏みするように
ジロジロと舐め回すように見ている。

「なんであそこにいた」

「男の人とホテルに行ってたから」

丈の足りないセーラー服が無性に恥ずかしい。

「その男は」

「…怒ってどっかに行った」
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