龍瞳ーその瞳に映るもの
凝った模様の和紙が貼られた襖の向こうに梓はいた。

大理石のテーブルのむこうの梓は
一昔前ならお殿様でも不思議ない。

案内してくれた女の人は、
音も立てず襖を閉めいなくなった。

頭の中に浮かぶのは女の園大奥。
お殿様に見初めらた女中が
幸せの階段を駆け上がるイメージ。

「梓、会いたかった」

梓はどんなタイプがいいんだろう。
清純か妖艶か、どっちに欲情するのだろう。

考えながら一歩、一歩梓に近づいた。

「そこに座ってくれ」

テーブルの向こうに行こうとした美緒に
梓の向かい側でそう言われる。

「ここ?」

一気に距離を詰めたかったけど
ここは梓に任せよう。
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