龍瞳ーその瞳に映るもの
「美緒」

ウザい。
終わったあと、背を向けてる美緒に
抱きついてくるイクヤ。

一瞬、イクヤでもいいなんて思ったけど
あれは嘘、やっぱり無理。

「こっち向けよ」

顔なんか見たくない。
梓と比べれば月とスッポン。
鼻の高さも目の弧を描くラインも
何もかも足りない。

だけど

「連絡しなくてごめんね」

イクヤは利用価値があるから
切り捨てる事はしない。

「男いたんだろ」

図星を突かれて一瞬狼狽える。

「いいんだ、わかってた」

計算機が弾き出した答えは

「最低の男だった」

可哀想な女を演じる事。

「仕返ししたい」

美緒のターゲットはただ1人。

死にたい病女、ただ1人。
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