龍瞳ーその瞳に映るもの
「人間はものじゃねー。生きてんだよ。
お前が嬉しいと感じる事も悲しいと
感じる事もこいつも同じように感じてんだ。
お前がこいつにやってきた事を誰にも言わずお前を責めずにいたこいつの気持ちがわかんねーのか?」

同情の余地はない。
ただ、ナノハが望みなら最後のチャンスを与えてやるつもりなんだろう。

「…フフ、うまく騙されてるね、梓」

だけどすぐに最後のチャンスの答えが出る。

「ナノハの言ってる事は全部嘘だよ」

腐ったミカンは元には戻らない。
そのまま朽ち果てるだけ。

「美緒を選んでよ、ナノハじゃなく」

自分の立場もわからなくなっている。
ナノハがかけたタオルもずり落ち
一人、悲劇のヒロインのごとく涙を浮かべた。
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