龍瞳ーその瞳に映るもの
目的地が近づくにつれ、
緊張感と高揚感が高まる。

「普通にしてろ」

「う、ん」

車が止まった。

「行ってくる」

「あぁ」

学校から少し離れた時間貸しの
駐車場に止めた車から降りるようと
したとき、ふいに聞こえたアズの声。

「必ず助けに行くから安心しろ」

いつもの冷めた眼差しは変わらないけど
その言葉には温もりがある気がして
緊張感は抜けて高揚感が残る。

「落ち着いて、普通に」

「わかった」

昂ぶる気持ちは制服に隠して
清楚な女子高生になりすまし
校門をくぐった。
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