龍瞳ーその瞳に映るもの
部屋につき電気をつける。

殺風景な部屋は相変わらずで
さっき私が飲みかけたサイダーの
ペットボトルだけがポツンと
テーブルの上に置いてあった。

こんなにオンボロなのに部屋に入るには
指紋認証とパスワードが必要なこの部屋は改めて見ると基地みたい。

ビールを飲んだくせに顔色ひとつ変わらないアズは暑いのか着ていたパーカーを脱いだ。

薄いタンクトップから見えるアズの体は
部屋と同じで余計なものが何一つない。

「ね、アズ」

そんな後ろ姿に呼びかける。

「ん」

振り向かず答えるアズ。

「アズが殺したの?」

どうしても知りたくて…
ピクリとも動かないアズの答えを待つ。
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