龍瞳ーその瞳に映るもの
「だったらどうする」

その声は熱を帯びない冷たい声で
あの日、初めて聞いた声と同じだった。

「…それがアズの仕事なの?」

だとしたら…

「あぁ」

だとしたら…

「苦しいね」

アズは無関係の人の命を絶つ事に
苦しまないでいられる人じゃない。

「苦しいよね」

アズの苦しみが少しでも紛れれば
いいと無意識に足が動く。

アズがしてくれたように
私もアズを抱きしめた。

「もう大丈夫だよ」

その苦しみを私に分けて欲しい、
そう願う。
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