龍瞳ーその瞳に映るもの
「美香ちゃん、バックに行ってて」

葉物野菜に霧吹きをかけていた私に
市原さんはそう言った。

店内には珍しくお客さんが数人いるけど
そう言われてバックに行けば
店長に倉庫の整理をして言われた。

気の弱そうな店長は口数も少なく
あまり会話をした事がないけど
朝早くから夜遅くまで仕事をしたり
店の周りを掃除したりしているのを
何度かみかけた。

「わかりました」と倉庫に行こうとした
その時、店から怒鳴り声が聞こえた。

「美香ちゃん、さ、早く」

血相を変えた店長は私を追い出すように
背中を押す。
だけど、店からの怒鳴り声は尋常じゃなく防犯モニターには
中にいたお客さんが一斉に
店を飛び出していく様子が映っていた。

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