先生のことなんて好きにならない!
「俺じゃ…駄目かな」
真剣な顔でそうポツリと呟くなつくん。
「え?」
「いや、何でもない。早く行かないと」
「わ!もうチャイム鳴っちゃうね!ごめん、なつくん」
わざわざ持ってきてくれていた私の分の教科書と筆箱を受け取り、廊下を急ぐと、さっき見ていた場所から先生と実習生が出てきた。
「あっ…やだ!先生の襟元に私のファンデ付けちゃった」
…え?
ちらっと先生の方を向いた私と実習生の目が合う。
少し、笑ったような顔に見えた。
「七瀬ちゃん!」
「あっ、うん!」
夏くんに呼ばれ、胸の痛みを抑えながらその場を去った。