先生のことなんて好きにならない!
それから、何でもなかったように放課後がやってきた。
「あれ、先生。ワイシャツ…」
いつもの堅そうな格好とは違い、ラフな格好で補習に表れた先生。
「あー…これな…」
先生が説明をしようとした時、丁度実習生が入ってきた。
「あっ、袖ボタンも取れかけてたので付け直しておきました」
「…ありがとう」
ちらりと実習生の方を見ると、蔑んだような目と片方だけニヤリと上がる口角。
怖くて、思い切り目を逸らした。
お昼のことと今のことが頭の中をぐるぐると巡って、考えすぎていることとこの緊張する空気の漂う教室が居心地が悪くて、何だかどんどん気分が悪くなってきた。
「…すみません。今日はもう帰っても良いですか」
「ん?どうした?体調悪い?」
優しく覗き込む先生からも視線を避け、急いで机の上に出した荷物を片付けて、席を立った。
「気分悪くて…持ち帰ってやります」
「本当、大丈夫か?おく…」
そこまで言って言葉を濁す先生。
いつもなら、送ろうかって言ってくれていたのだろう。でも、流石に今はだめだ。こんな私に敵意丸出しの人の前じゃ。
「さようなら」
そう言って勢い良く私は教室を飛び出した。