『ココロ彩る恋』を貴方と……
おかしいな…と呟き、声も出し難いと気づいた。


(どうしよう。これじゃ声も出せない…)


じっと寝ているだけなのにツラい。
あの雪の降る日に発見されたことを思い出して、余計に辛くなる。



まだやっと5歳になったばかりの冬だった。

朝から機嫌の悪かった母のお仕置きを受けて、ベランダの外へ出さされた。


『そこで反省しなさい!』


何を怒っているのかは理解し難い状況だった。

多分、私は何もしていなかったはずなんだ。でも、母の目には私という存在が疎ましく見えた。

目に入れたくなくて、外へ出なさい…と言われた。

着る服も無くて、薄い半袖のワンピースを一枚着ていただけだった。

部屋はアパートの3階部分にあったから、ベランダにはヒューヒューと冷たい風が吹いてくる。

寒くて寒くて、両手を縮こまらせて身体中を折りたたむようにしてしゃがみ込んだ。

窓ガラスに背中を付けると冷たさが増すから、コンクリの壁に背中を押し当てていた。

素肌が出ている腕を腿の間に挟んで項垂れる。

髪が長かったらまだ救われたんだけど、残念ながら短くて肩くらいまでしかなくて。

項垂れると首の後ろも背中も冷えて、余計に寒かったのを覚えている。


(お母さんはどうして私に冷たくするの?)


幼い頃からの母のネグレスト行為に対して、最初は激しい怒りをぶつけていた。

でも、反抗すればする程、母のお仕置きは酷くなる。


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