『ココロ彩る恋』を貴方と……
(あれ……?)


身体中の熱さに気づいて重い瞼を上げた。

見たこともない部屋で寝かされていることに気づき、何が起きた?と思い出す。


(ここは……)


何度か訪れた場所のように見えるけど、目の錯覚だろうか。


ちら…ちら……と、上と左右に眼球を動かした。

天井に記憶はないけど、左右の部屋の様子なら覚えている。


(ここ…兵藤さん家のゲストルームだ……)


誰も泊まりに来る気配がなかった部屋。

べージュピンクのベッドカバーが掛けられた部屋の中で、私がベッドを使っている。


(…なんで?)


意味も分からずぼぅっとしてしまう。
身体中の関節が痛い気がするのは何かの間違いだろうか。


(体が重い。それに腰が痛い……)


唾も吞み込みにくい。
これは間違いなく、朝から熱ぽかったせいだ。


(熱が上がってる?それでこんなにだるいの?)


起き出さないといけないとはわかるけど、どうにも体が言うことを聞かない。


(私、さっきまで廊下にいた筈なのに…)


そうだ。確かフザケて兵藤さんの唇にキスをしかけたんだ。


ちょん…と掠めただけの軽過ぎるキスの記憶が蘇った。

触れた途端に我に返って、とんでもない悪さをした…と反省した。


(それから離れて立ち上がったんだっけ。なのに、どうして此処で寝てる?)


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