『ココロ彩る恋』を貴方と……
ハイレベルな彼と思い出の味
風邪薬を飲んで一眠りしたら午後だった。

鼻詰まりを気にしながら起き上がってみると、サイドテーブルの上にはきちんと畳まれた衣類が置かれてあって……



「ぎゃ〜〜っ!」


手繰り寄せるようにして掴む。パンツとブラとキャミソール、あろう事か上着とズボンの上に乗せられている。


(ひょ、兵藤さ〜〜ん!!)


幾ら彩さんの服で見慣れているからってあんまりだ。私は貴方の彼女でもなければ、家族でもないのに。


(もう少しデリカシーとか持ち合わせて!これでも私は独身なんだからね!)


今夜は泊まって…と言われたけれど、こんな恥ずかしさを抱えたまま居座るなんて無理だ。

下着を見られただけでも恥ずかしいのに、彼がこれを見て何と思ったかを想像するのが怖い。


(よりによってキャラものの下着とか、付けてくるんじゃなかった……)


アラサーのくせにティーンぶった下着。

棚替えで安くなってたのを買ったなんて言い訳はしたって笑い飛ばされるのがオチだ。


(とにかく今夜は帰ろう!帰って心ゆくまで寝る!)


手早く脱いだ服は洗濯乾燥機の中に放り込んだ。下着だけは帰って洗うつもりで、手荷物の方へ忍ばせる。


「帰る前に断らないと駄目かな」


恥ずかしいけど、そこはきちんとお礼を言ってからにしないと非常識だ。
無言で帰っても心配させるといけない……。


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