『ココロ彩る恋』を貴方と……
クリスマスソングが流れる中、その日も買い物カゴを片手にスーパーにいた。

今夜はおでんにしようとお婆ちゃんが決めて、買い忘れのないように…と、メモを書いて行くよう言われた。


「何処までも信用ゼロなのよね〜〜」


家政婦よりも家事をしてきた人なんだ。そういう人に私が敵うはずもない。


目線を紙の上に落とした。


「えーと、丸天にゴボウ天に大根と牛スジ…」


メモを上から順に辿っていく。

周りの様子を気にする余裕もないくらい集中している私の前に、その人がいるのも気づかないでいた。



「あらっ、紫音ちゃん!」


鼻にかかった声を聞いて顔を上げると、見慣れた髪型をしている人が立っている。


「…奥さんっ!」


思わず大きな声を出してしまった。周囲の人が驚いて振り返ったから、慌てて口を押さえた。


「久しぶりねー!元気ー?」


人のいい奥さんは、売り場を離れながら聞いた。


「はい!元気です!」


カラ元気を出して答えると、「そう」と満足そうな笑みが返ってくる。


「お買い物?」


「ええ。雇い主さんのお宅で、おでんを作ることになって」


「あー聞いてるわ。何だか厄介そうなお婆ちゃんがいるお宅なんでしょう?主人が気にしていたわ。紫音ちゃんに任せたけど大丈夫だろうかって…」


家庭での会話をしながら困っている事は無いかと尋ねる。


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