『ココロ彩る恋』を貴方と……
だから、勇気を持って生きるように…と言われた気がした。


悲しい過去も

楽しかった幸せも

全部に全部、蓋をすることで生き抜こうと決めたーーー。



「……私の話を聞いて下さい」


「じゃあ、俺の家に住んでくれる?」


ドキン…とする様な言葉を言われ、戸惑うように彩さんの絵を見た。

爽やかな笑顔を見せている彼女の声が、耳に届いてくるような気がした。




『お兄さんをお願いね』


口元がそう言ってるように見えた。
都合のいい解釈だけど、本当に自分でも呆れてしまいそうだけどーーーー


「……はい。よろしくお願いします!」


彼を見つめながら答えると、嬉しそうに顔を綻ばせた人が肩を抱き寄せる。



(……此処から始めればいいんだ……)


寄り添った胸の中で、ハイレベルな彼との恋がやっと始まっていくんだ…と思ったーーーー。



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