『ココロ彩る恋』を貴方と……
くくく…と笑いを我慢している彼を横目で睨む。
普通の家庭で育った人に、私の食べ物に対する思いが伝わる訳がない。
「そんなに笑うと行きませんよ」
ムッとして話すと、兵藤さんは笑うのをやめて狼狽えた。
「もう笑わない!だから行こう!」
手を差し伸べられて掴まれた。
真面目そうな瞳に映っている自分を見つめ、やっぱり胸が踊る。
「……はい…」
目線を逸らせて返事をする。
引き寄せられたと同時に肩を抱かれ、急接近する彼にときめいた。
「素直でよろしい」
微笑む彼はハイレベルな芸術家。
そんな人と一緒に始める生活を前に、気持ちはどんどん膨らんでいく。
「閉めるよ」
ドアに鍵を掛けようとする彼に頷いた。
カチャと中でロックが掛かる音を聞き、胸の中でお礼を言った。
(……どうも、お世話になりました……)
まだ荷物はあるけど暫くこことはサヨナラ。
(また帰ってくるかもしれないけど……帰ってこれなかったらごめんね……)
背中を向けながら母の気持ちが少しわかった。
私に「サヨナラ」を言わずにいてくれたのも、もしかしたら帰ってこなければいけない…と、心の何処かで思ってたからなのかもしれない。
兵藤さんの背中を追いながら、胸がきゅん…と軋んだ。
空に光る星の群れが、見守るように瞬いていたーーー。
普通の家庭で育った人に、私の食べ物に対する思いが伝わる訳がない。
「そんなに笑うと行きませんよ」
ムッとして話すと、兵藤さんは笑うのをやめて狼狽えた。
「もう笑わない!だから行こう!」
手を差し伸べられて掴まれた。
真面目そうな瞳に映っている自分を見つめ、やっぱり胸が踊る。
「……はい…」
目線を逸らせて返事をする。
引き寄せられたと同時に肩を抱かれ、急接近する彼にときめいた。
「素直でよろしい」
微笑む彼はハイレベルな芸術家。
そんな人と一緒に始める生活を前に、気持ちはどんどん膨らんでいく。
「閉めるよ」
ドアに鍵を掛けようとする彼に頷いた。
カチャと中でロックが掛かる音を聞き、胸の中でお礼を言った。
(……どうも、お世話になりました……)
まだ荷物はあるけど暫くこことはサヨナラ。
(また帰ってくるかもしれないけど……帰ってこれなかったらごめんね……)
背中を向けながら母の気持ちが少しわかった。
私に「サヨナラ」を言わずにいてくれたのも、もしかしたら帰ってこなければいけない…と、心の何処かで思ってたからなのかもしれない。
兵藤さんの背中を追いながら、胸がきゅん…と軋んだ。
空に光る星の群れが、見守るように瞬いていたーーー。