『ココロ彩る恋』を貴方と……
スープ皿の上には、てんこ盛りになったハートが沢山描かれてある。
その一番上のハートだけは色が濃くて、綺麗なブルーカラーをしていた。


「君の料理はあったかくていつも気持ちが安らぐ味だよ。心の中が色彩られてくるような気がして、だから絵の中のハートも同じ様に彩ってみた」


確かにハートの色はどれも違う。
綺麗なパステル調で染められ、どれも優しい色合いに見える。


「俺のことをいつも一番に思ってくれるだろ。だから、これだけは色を変えた」


一番上に乗っているハートを指差した。

それが、あのシーブルーの色だと気づいたのは、彼の指が離された時だ。



「これ……」


淡い色調の中で描かれハートのうち、一つだけがハッキリとしていて際立っている。
私にとって特別な意味を持つこの色が、彼の色だと言うの……。


「前に下絵のブルーが綺麗だと言ってただろう?それを思い出してみたんだけど」


絵の中の私は嬉しそうに笑っている。
ハートを沢山持って、声を発しているみたいだった。


「『お待たせ!』って顔しているだろう?あの時の紫音は、そう言いながら部屋に入って来たもんな」



『お待たせしました!』


確かにそう言って部屋の中に飛び込んだ。
誰かと一緒に同じものを食べるなんて、本当に久しぶりで嬉しかったからーー。


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