『ココロ彩る恋』を貴方と……
次の日、仕事に行くと兵藤さんはリビングのソファの上で転がって眠り込んでいた。

服装は昨日出かけた時のままで着替えてもいない。
どうやら寝る前にお酒を飲んでいたらしく、床にはビールの缶が転がっている。


「あーあ、一体何本飲んだのよ」


外国産の缶ビールが冷蔵庫に入っているのは見ていた。
並べてある缶の色が鮮やかで、綺麗だなぁって思ってたから。


カラカラと拾い集めた缶をテーブルの上に並べる。
合計で5本も飲んでいるのを見て、完全に呆れてしまう。


「冷蔵庫の中も色彩豊かなのは流石ね〜とか思ったけど、本人はちっともそうじゃない気がする」


仰向けに寝ている姿は満腹になったクマを思わせるし、だらん…と垂れ下がった腕だけ見てるとオランウータンにも見えてくる。


「そう言えば髪型が似てるかも」


クスッと笑いを噛んだ。
サラサラな前髪が伸びてる感じが何処となくサルっぽい雰囲気に見える。

クスクスと笑いながらゴミをまとめる。
キッチンから持ってきたビニール袋の中に缶を詰めていると、後ろから伸びてきた腕に羽交い締めにされた。


「ひっ!」


驚き過ぎて声が出せない私の首筋に近づく息。
ギョッとして後ろを見たら、寝ボケた兵藤さんの顔がすぐ側にあって。


(この人ってばまた……)


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