『ココロ彩る恋』を貴方と……
(あわわ。ちょっと近寄り過ぎたかも……)
背筋を伸ばして少し離れた時、閉じられていた兵藤さんの目が開いて、眩しそうに閉じかけた。
「……エンジェル?」
少しだけ開いていた唇が動き、ボソリと一声発した。
何だそれは…と思っている私に微笑みかけてきた人の表情は、何というか、とても綺麗で穏やかだった。
優しそうに目尻が下がり、唇の端はきゅっと持ち上がっている。
その表情から目を逸らさずに見ていると、伸びてきた左腕が私の背中に添わされ、ぐっと力強く押された。
(えっ!?)
倒れそうになる体を反射的に手で支えようとしたけど間に合わず、ふわっと軽い風の抵抗を感じながら兵藤さんの胸に上半身が覆い被さった。
支えようとしていた手の平は彼の胸板をキャッチする格好になっていて、横向きになった頬は首元にくっ付いている。
「チュッ」と何かが髪の毛に触れる音がした。
驚いて顔を上げると、微睡むような目をした兵藤さんの顔が見えて。
(あ……ブルーの目……)
…のように見えたけど、それはきっと光の加減だったと思う。
白目がブルーっぽく見えたせいで、透明度の高い黒目が青っぽく見えたんだ。
(綺麗な目……)
自分の顔が写っているその目を見返した。
兵藤さんは寝ぼけているらしく、私とは認識もしてない様子だった。
背筋を伸ばして少し離れた時、閉じられていた兵藤さんの目が開いて、眩しそうに閉じかけた。
「……エンジェル?」
少しだけ開いていた唇が動き、ボソリと一声発した。
何だそれは…と思っている私に微笑みかけてきた人の表情は、何というか、とても綺麗で穏やかだった。
優しそうに目尻が下がり、唇の端はきゅっと持ち上がっている。
その表情から目を逸らさずに見ていると、伸びてきた左腕が私の背中に添わされ、ぐっと力強く押された。
(えっ!?)
倒れそうになる体を反射的に手で支えようとしたけど間に合わず、ふわっと軽い風の抵抗を感じながら兵藤さんの胸に上半身が覆い被さった。
支えようとしていた手の平は彼の胸板をキャッチする格好になっていて、横向きになった頬は首元にくっ付いている。
「チュッ」と何かが髪の毛に触れる音がした。
驚いて顔を上げると、微睡むような目をした兵藤さんの顔が見えて。
(あ……ブルーの目……)
…のように見えたけど、それはきっと光の加減だったと思う。
白目がブルーっぽく見えたせいで、透明度の高い黒目が青っぽく見えたんだ。
(綺麗な目……)
自分の顔が写っているその目を見返した。
兵藤さんは寝ぼけているらしく、私とは認識もしてない様子だった。