すきなのに！！

これが絶体絶命ってヤツですか。

＊・＊・＊…



…はぁ。


つまらない。



時は翌日の放課後。


あたしは当てもなく街を彷徨いていた。




カフェで友達と楽しそうに話す女子高生たち。


公衆の面前で堂々とイチャコラしやがるカップル。


子供を真ん中に手を繋ぎ、仲良く歩いていく家族連れ。



なんだかどれも今のあたしとは違う世界みたいだ。



いや、元はと言えばあたしは普通の女子高生だったよ。

あのカフェで巨大すぎるパフェを1人1個ずつ注文している恐ろしい少女たちのように、もしかしたら今頃楽しく凛や茉央ちゃんたちと遊んでいただろう。


はっきり言おう。言っちゃおう。


輝にいろいろ言われてむしゃくしゃしている。



むしゃくしゃしすぎて今のあたしはかなりアブナイと思われる。

だから自分から凛と茉央ちゃんからの遊びの誘いを断った。



今のあたしは何をしでかすかわからないからね。

いや、昨日不良をぶっ飛ばした女が何を言ってんだか。




…そうだよ。

あのとき透をぶっ飛ばさなきゃよかったんだ。


夏樹くん1人に大勢で向かっていった南の輩が悪い。


となればやっぱそれを指示したヤツらが悪い。



もうダメだねあたし。いろいろとダメだ。


負のループから抜け出せない。




そうだ！こういうときは楽しいこと考えて忘れよう。

遊園地に行ったらジェットコースター乗って、お化け屋敷入って、そんでもって……。


あ''ーー！！楽しくない！



昨日出会った不良たちのインパクトが強烈すぎて頭から離れないよ！

くっそう。



あたし、何やってんだか。