タタリアン
 京三大学。
 高根澤教授室にいそいそと入っ
て来る恭介。
 恭介の幼なじみの高根澤太志
(32歳)は教授になっていた。
 太志はネズミのバラバラになっ
た骨をプラモデルのように組み立
てていた。
 恭介はそっと近づき大声で、
「すげーやったぜフトッチャン」
 動じない太志。
 恭介は独り言のように、
「大腿骨が俺ぐらいはあるかな」
「…むっ…すっ…」
「チョコレート」
「持ってるの?」
「もーぉ、大発見だぜフトッチャ
ン。大型恐竜の骨が見つかりそう
なのに、何やってんだよ?」
「恭チャン。確かに日本で大型恐
竜の骨が見つかったら大発見かも
しれない。でもね、こんなちっ
ちゃなネズミが恐竜の絶滅した後
も生き延びて、やがて人間になっ
たことを考えるとそっちの方が僕
には大切なことのように思うん
だ」
「そりゃそうかもしれないけど、
見つかった骨で恐竜が絶滅した謎
だって解明できるかもしれない
よ」
「恭チャンは子供の頃から恐竜が
好きだったもんね。手伝うのはい
いよ」
「よかった。会社辞めて来た」
「恭チャンらしいや」
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