真実の愛を見つけたい『I want to find the truth of love』

…嵌められた


親父から
「こちらの方が、
お前の子を妊娠していると言ってきた。
高齢でもあるし、産みたいと言っている
DNA鑑定をしても構わないとな。
その上、内の整形の看護師だと言う、
まったくお前は!」
と、言われた。

俺は、嵌められた。
と、思った。
一度、なおがくれた避妊道具を
使用したことがあった。

俺は、親父からもお袋からも
小言を言われて
なおと入籍させられた。

俺が、33歳。
なおが、39歳の時だ。

俺達は、
親父がくれたマンションへと移った。
グリーンメゾン 702だ。

なおは、出産まで実家にいる事が多く、
俺も仕事柄余り帰ることは
なかったが‥‥‥。

暫くすると
なおは、男の子を産み
名前を嵐(あらし)と勝手に
つけていた。

俺は、
いっそう他人に冷たくなり
なおにも嵐にも、
愛情を感じる事はなく、
両親からも小言を言われる事が多かった。

嵐が、四歳になった時
なおが自殺した。

  それも、男と。

親父もお袋も
呆気にとられていたが
葬儀を済ませたり
嵐の幼稚園を決めたり
俺は、仕事以外に
やらないといけない事が増えた。

家事は、家政婦を雇い
夜は、親父の意向で
早目に帰り嵐の世話をするように。

世話と言っても
四歳でも、嵐は手がかからず
物静かな子供だった。
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