もう1度、あの恋を
下に降りて、ご飯を食べ始めるとピンポーンと、なった。
「お父さんかも?」
私が箸を止めて、立ち上がると、それより先に絢乃ちゃんがリビングを出て行った。
「お久しぶりです~、はい、上がって!」
そんな声と、お父さんの戸惑った声が玄関から聞こえてきて、リビングのドアを開けて入ってくる。
私は奏太と目を見合わせて、ニコッと微笑んだ。
「おかえり、お父さん」
「お疲れ様っす」
私たちがそう言うと、お父さんは嬉しそうに笑った。
「……ただいま」
安心したその声を聞いて、私は箸を持ち、ご飯を口に入れた。
……ずっと、待ってた
目の前に広がる光景に一度目をふせて、もう1度開けた。
そして、微笑んでから、みんなの会話の中に入っていった。