もう1度、あの恋を





「ねえ、奏太くんって、実際どうなの?」


「ん?」


「おおかみ?」






朱里の質問に、ブッ、と水を吐き出した。





「……なっ、あんた、何言ってんの?」



「えー? だって、もう高校生だよ?」




朱里の頭の中は、大人だよ…!!






「……実際、まだやってないし……」




聞こえるか、聞こえないかくらいの声でそう言うと、朱里には聞こえていたみたいで吹き出した。





「えー? あの時やってないって言うのはホントだったのかあ」




朱里が 納得してると、後ろから声が聞こえた





「おい、何言ってんだよ 染谷」



「げっ、本人」




パックジュースを片手に、こっちを睨む奏太。




「べっつにぃ~? 」



「余計なこと言うなよ」




奏太は、私の方を見てそう言う。




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