もう1度、あの恋を




奏太は、それだけ言うと、すたすたと歩いて行ってしまう。しばらく、歩けずに立ち止まっていた私を、お父さんは走って迎えに来た。




「美月の帰りが遅いから迎えに来たら……
って、どうしたんだ!?」



お父さんは、私の顔を見るなり、驚いて周りをウロウロし始める。




……ねえ、なんで






どうして私はいつも、後悔しかしてないの…






「……っ、うぅっ…」




お父さんの胸に寄りかかり、私は、外だと言うのに泣いてしまった。




子供のように、泣いてしまった。






私の頭をポンポンしながら、「大丈夫」そう言ってくれたお父さんの言葉が、耳に残っている。







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