もう1度、あの恋を



「デートとか思ってるでしょ
顔に書いてあるよ」


「えー? だってそうじゃないの〜?」


私が呆れたように言うと朱里は頬に手を付けながら首をかしげた。


男と女が2人で出かけるのは、必ずしもデートになるのか……?


「……まあ、知らないけど。
ただ、チケットが余っただけでしょ」


「そしたらさぁ、ほかの女子と行けば?って
普通はなるよね〜」


さっきから、私の言葉にすぐに反論してくる。
なんなの、何をさせたいの?



「………知らないってば
土曜日に聞いてみるよ」

「聞いたらメールしてよね〜」


朱里の言葉に芹澤さんは、首を縦に何回も動かしていた。ああ、貴方も気になっていたのね。



「はいはい」


チャイムともにそう言うと朱里は手をひらひらさせて自分の席へと戻って行った。





< 52 / 202 >

この作品をシェア

pagetop