もう1度、あの恋を
澤田くんと出かける日になり、私は朝からバタバタ、していた。
「美月、こんなに早くからお出かけかい?」
「うん、遊園地の割引券貰ったからさ」
いつもより少しのんびりしているお父さんにそう聞かれ、私はリュックを持ちながら答えた。
「遊園地か……あまり遅くなるんじゃないぞ」
お父さんはソファーに座り、新聞を読み始め、私は玄関で靴を履いていた。
「それじゃあ、行ってくるね」
そう言って家を出て携帯を見る。
「確か、10時に待ち合わせだったよね…」
時間を確認してから歩き出すと、奏太の家のドアが開いた。
え……?
早くない?
奏太もどっかに行く訳……?