もう1度、あの恋を
私はそんなことを思って固まってしまった。
「あれ、美月じゃないっ」
嬉しそうに私の名前を呼びながらこっちに歩いてくるのは奏太のお姉ちゃん。
とりあえず奏太ではないことにホッとして、絢乃ちゃんの名前を呼んだ。
「あ、久しぶり……絢乃ちゃん」
「最近、奏太の部屋来ないね〜?
中3から来てないよね? 何かあった?」
会ってそうそう絢乃ちゃんはそう聞いてくる。
「あ、そう言えば別れたんだっけ?」
……ドキッ
絢乃ちゃんには話してたんだっけ、?
バレたんだっけ?
まあ、どっちでもいいや。
「……まあ、お互い忙しいのかもね」
私は後ろで手をギュッと握りしめながらそう答える。絢乃ちゃんはそんな私のことをジッと見つめた。