もう1度、あの恋を
「ふぅん……。ま、奏太もいろいろ悩んでたみたいだし、何かあったら話聞いてあげて。いつも楽しそうな2人見るの好きだったし、ね。」
どこか悲しげに、そう言う絢乃ちゃん。
……多分、気づいている。
きっと私たちが口をきいていないこと。
忙しいとかじゃないって、気づいているんだろう。
「うん…。」
私は、絢乃ちゃんの優しさに鼻がツーンっとなり涙が出そうになるのをこらえ、頷いた。
「で、こんな朝早くからお出かけ?」
ニコッと満面の笑顔でそういう質問してくるところ、ほんとに変わってない。