・いつまでも、キミを想う
スマホの画面をジッと見つめた繭が目を輝かせ、私に視線を向ける。
その表情からは、幸せそうな笑みが溢れていた。
「彼から。涼香ちゃん、先にお風呂行ってて。私、後から行くからさ」
「はいはい」
恋愛脳の繭は、友達より彼を選ぶ子だって事は分かってますよ。
私は部屋に備え付けられていたパンフレットの案内で、露天風呂がある事に気づいた。
繭の電話が終わるのは、何時になるのか分からないし。
待っていても無駄みたいだしね。
言われた通り、先にお風呂に行ってますよーだ。
こうなりゃ、露天風呂もサウナも入っちゃうぞ。
「お先に」と、ラブラブトーク真っ最中の繭に口パクで伝え、私は2枚貰ったうちの1枚のカードキーを手にし、大浴場へ向かうことにした。
部屋から大浴場までは、エレベーターに乗り二階まで降り、渡り廊下を使い別館へと移動しなければならない。
私は、お風呂セットと着替えの浴衣を小脇に抱えエレベーターに乗り込む。
エレベーターは私一人を乗せ、静かに降りて行った。