天国の不動産
「葵さんお疲れ様です。休憩入ります?」
例の男子大学生が葵に声を掛ける。
「うん。お昼行ってこようかな」
エプロンを脱ぎ、丁寧に畳んだのち、ロッカーへとしまう。
対に彼は乱雑にエプロンをロッカーへと放り投げた。
「良かったら一緒にどうですか?」
一瞬だけ間が空き、葵の閉めたロッカーがパタンと音を出した。
不自然なくらい2、3秒沈黙が続く。
そして、
「うん。いいよ、何食べる?」
彼に笑顔を向けていた。
何が起こっているのだろうか。