memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「ある。この戦いにmoonは関係ない」


「なっ!だからっ!」


「…いつかmoonは紅蝶と並ぶくらいすごくなるだろう。そのためにも、上にいるものの戦い方など見といて損はねぇと思うけど」


そこまで言うと、ぐっと黙り込んだ。


紅蝶の戦いを間近で見るなんてそうそう出来ないことだし。


見ては盗む。


盗むまではいかなくても、見るだけでも勉強にもなる。


一緒に戦いながら見るなんて、勉強にすらならない。


それをmoonのみんなも分かっているのだろう。


「俺たちが負けるなんてことねぇよ」


「当たり前やろ!」


「そうだよー!」

「なんて言ったって」

「「紅蝶なんだから!」」


「…そういうことだ。だからmoonは下がっていてくれ」


ぐっと唇を噛んで悔しそうな顔をしていて、一緒に戦いたかったという気持ちがすごく伝わってきた。


その気持ちだけで充分だ。


俺たちはmoonの思いと共に戦う。












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