memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「さて、と、覚悟はいいな?!行くぞ!!」


「「おおーーーー!!!」」


つき君の掛け声と共に一斉に走り出す。


のを、横目に壁に持たれる。


そんな私に、moonは紅蝶と私を交互に見ては頭にハテナを浮かべている。


「せ、…紅炎は行かないのか?」


まぁ、そうなるよな。


総長が行かないならわかるが、総長でも幹部でもない、特別枠にいる私が行かねぇんだから。


「…行くよ。今は行く時じゃねぇから」


「そ、そうか」


私の変わりように、未だに頭が追いつかないのか、お兄ちゃんはさっきからこんな感じだ。


何か言いたいことがあるんだろうが、ちらちらこっちを見てきてそろそろウザイ。


「あっ、紅鬼の後ろ!」


〝紅鬼〟


その言葉に築路に視線をやる。


…鉄の棒を持ったやつが2人。


築路は…他のやつを相手してるが、気づいてはいる。


だが、あれでは間に合わない。


「くそっ!俺が行って…えっ?」


昶の声を背に、築路の元へと走る。


私が参戦したことに気づいたのか、こっちに向かってくる奴らをキレイに避ける。


あーあ、そんな勢いで走ってると…。


標的が避けたら味方とぶつかっちまうぜ?


…ほらな。












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