memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「あ、そうだ。まだ影と呼ばれるきっかけ?を話してなかった」


と言っても、きっかけなんていうきっかけはないんだけどねー。


「影か…。でもあれは本当にたまたま出来たようなもんだもんな」


「そうなんだよね。ある族との戦いで、挟み撃ちにあったつき君をどこからともなく現れ、助けたことからだよねー」


「しかもそれが1回だけじゃなくー」


「毎回なもんだからー」


「「影というより守護神に近いとも噂があったりするんだよね〜」」


「しかも笑ってるもんやから、殺られた側としては地獄やわな」


ジロリと庵を睨むと、「じょ、冗談やっ…」と言いながら少しずつ後ろに下がってるのバレバレだからね。


「で、最後は事故と記憶喪失だね」


これはさっきからちょこちょこ話にも出てきてたから、ある程度は気づいているかもね。


「栞ちゃんに突き落とされて、頭を打ったのが事の始まり。栞ちゃんはね、庵の彼女として紅蝶にきて、姫という立場へとなったわけなんだけど」



もう思い出すだけでも嫌すぎる。

















< 321 / 344 >

この作品をシェア

pagetop