人事部の女神さまの憂い


なんとか仕事の目処をつけ家に帰ると

「おかえり~ユリちゃん」

彼氏のワタルが来ていた。

今日、来週の予定を確保したマネージャーのうちの1人。

会社の3年先輩でスマホ向けのアプリをつくっているグループの責任者。

エンジニアとしても優秀で見た目も王子様風のワタルは、先輩社員代表として採用説明会に出てもらうことが多かった。
いつも学生相手に仕事の楽しさを語るワタルが頼もしくてかっこいいなと、入社したての私は憧れに似た気持ちでワタルのことを見つめていた。

そんな期間が3か月ほどたった頃、説明会の後で飲みに誘われたのだ。

その時ストレートに

「ニシユリのこと、気になってるんだ」

と言ってくれた言葉が嬉しくて、その瞬間、淡い憧れが恋心に変わった。


それ以来お互いの家を行ったり来たりするような、親密な付き合いが続いている。




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