人事部の女神さまの憂い

「つめたっ」

氷の入ったグラスを持っていた手だったようで、藤木さんの手はとても冷たい。

「あ、そう?シワ、くせになるよー」

まったく悪びれる様子のない藤木さんは

「ニシユリは今のままでいいんじゃない。無理することもないでしょ。この店気に入ったし、飲みは俺が付き合ってあげるしさ」

と続けた。

なんか藤木さんが優しいことを言ってくれていることに気付いて、顔をみるとキレイな笑顔。

一瞬、見とれてしまった。

でもすかさず、

「今、俺に見とれただろー」

からかってくるのが惜しい。


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