人事部の女神さまの憂い
あの時は、海外出張が続いてるから和食が食べたい、と言って珍しく落ち着いたお店に連れて行ってくれた。
出張先の話の合間に
「そういえば、仁志、ゆりちゃんの弟ね、事務所誘ったよ」
これまた珍しく巧の話をしてきた。
今まで、あまり意識したことはなかったけど2人でいる時に巧の話をすることは、ほとんどなかった。
巧は今まさに就職活動を始めるタイミング。研究室とバイトが忙しいと言っていて最近会えてなかったこともあって就活の話はしていなかった。
まぁ手に職系だし、どこかには決まるだろうな、と姉としては楽観視していたのだが、こんなりすんなり決まるなんて。