人事部の女神さまの憂い

昨夜何も食べていないこともあって、柏木さんはモーニングメニューにさらにサンドイッチを追加して注文している。

「よく食べますね」

食べっぷりが見事で、こんな男っぽいところも素敵だと思いながら見ていると

「昨日食べないで、運動ばっかりしていたから」

ちょっと意地悪そうな笑みを浮かべている。その表情に昨日の夜を思い出して、ドキッとした。

こうやって朝の時間も一緒にいれるのって幸せだなと思うと同時に、もっと一緒にいれるといいのにと、ちょっと欲張りになっている自分に気付く。

柏木さんの都合のいい時に一緒にいるだけでいい、そうやって自分に言い聞かせているものの、柏木さんの色々な表情を知るたびに期待をしてしまっている。

もっと柏木さんのことが知りたい、
もっと近づきたい、
その顔で、声で「好き」って言ってほしい。


そんなことを考えながら、幸せだけどちょっと切ない時間は過ぎていった。


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