人事部の女神さまの憂い

そこまで、ぽつりぽつりと話すと、今までじっと聞いてくれていた藤木さんは、あきれたような視線を向けて

「そりゃ、まだ現実として受け止めてないからだろ。結論から逃げて、無理矢理納得しようとしてるだけで、何もはっきりしてないじゃねーか」

ちょっと怒ったように話す。そして

「どこで、そんな逃げ癖つけたんだ。そんな子に育てた覚えはないんだけどな」

言いながら私の頭を掴んで左右に揺らす。ちょ、気持ち悪くなるからやめてくださいよーと言いながら

「藤木さん、おにいちゃん通り越して、お母さんみたい」と言うと

「バカ」と笑われた。

藤木さんが真剣に怒ってる気がしてこわかったけど、今のやりとりでほっとした。そして、わざとふざけてくれたんだろうな、と思うと、やっぱり藤木さんにはかなわないなって思った。
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