人事部の女神さまの憂い

身体が密着することで、私の心臓のドキドキが伝わってしまっていることが気になって。さっきの表情の意味を知るのが恐くて。でも、この腕の温もりをもう一度感じられたことが嬉しくて、いろんな感情が一気に押し寄せて体が震えた。

しばらくお互い何も言わずにじっとただ身体を寄せていたが、

「もう、戻ってこないと思ってた」

ふと柏木さんが呟いた。どいうことかと思って顔を見上げると、今度はぎゅっと顔を胸に押し付けられる。

「もういい大人だからさ、受け流すことには慣れてるんだよ。だから、きっとゆりちゃんからはもう連絡が来なくって、このまま終わっちゃうのかなって思ってた」

頭の上から響いてくる、ゆっくりとした柏木さんの言葉にびっくりした。やっぱり、終わりにするつもりだったんだ。

でも、私から?


< 375 / 471 >

この作品をシェア

pagetop